発見!まるごと津軽の風物詩

第6回 津軽の夏祭り特集 (2008/08/20)
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津軽地方にも短い夏がやってきました。「これを楽しみに生きている」津軽衆も少なくない、青森ねぶた祭りやねぷた祭りなど、津軽のお祭り特集です。
取材日:7月30日(水)  青森県黒石市
先陣をきっての開催は、我らが「黒石ねぷた祭り」!7月30日(水)から始まりました。黒石市にある「御幸公園」を出発点に、日本の道百選にも選ばれた伝統的建築が残り風情溢れる「こみせ通り」を、「ヤーレヤーレヤー」の掛け声と笛・太鼓・手振り鉦のお囃子とともに練り歩きます。


中弘南黒地方にみられる「ねぷた」は、主に扇型をしており、進行方向に向かって前には勇壮な武者絵が描かれ、後ろには「見送絵」と呼ばれる美人絵や幽霊絵が描かれるのですが、黒石市のねぷた祭りでは、この扇型のねぷたに加え、青森市にみられる人形型のねぷたも登場するのが特徴のひとつ。昔は竹で作られた骨組みでしたが、現在は鉄筋で作られています。また、現在は道路に電線、交差点には標識があるので、大型のねぷたはそれらに引っかからないように、上部4分の1程度が折り倒せるような形をしていたり、扇状の部分が台座部分へ50cmほど沈ませることの出来るものなど、工夫が凝らされています。


スタッフKが子どもの頃初めてねぷたを見たとき、「見送り絵」の幽霊絵が怖いと言って大泣きし、その夏はしばらく一人でトイレに行けなくなったという過去があります。ねぷたの大きさ、お囃子の迫力が子ども心に怖かったのでしょうか・・・。今は綺麗な美人画にうっとり見惚れてしまうくらいなのですが、きっと津軽で育った人なら似たような経験があるエピソードかも!?
さて、「黒石ねぷた」のもうひとつの特徴は、なんといっても町内会(子ども会)の参加が多いこと!参加台数70台以上は、県内最大の参加台数なのですが、そのほとんどが町内会(子ども会)や学校の参加で、企業の参加はほんの数えるほど。まさに、市民のための市民のお祭りなのです。

取材日:8月3日(日)  青森県平川市
黒石市の近くにある平川市(旧平賀地区)でも、ねぷた祭りが行われます。こちらは20台ほどの参加台数ですが、大型の扇ねぷたの参加や人形ねぷた、担ぎねぷたがあったりと、楽しませてくれるお祭りです。また、お囃子のテンポも良く、踊りを取り入れたりなど、なんとも華やか。お囃子陣の中には、山車の上に子どもたちが乗り、小さな太鼓を叩いていたりと、愛らしい姿も見られます。




また、今年は高さ11メートルを誇る「世界一のねぷた」が2年ぶりに絵を一新して大トリで登場し、見物客からは大きな拍手と歓声が送られました。



取材日:8月2日(土)・5日(火)・6日(水)  青森県青森市
津軽の夏祭りの中でも全国的な注目を集める「青森ねぶた祭り」。今年は初日(2日)に雨が降り、ねぶたにビニールをかけての運行となりましたが、それでも「このために生きている!」と言い切る津軽衆もいるほど、情熱を傾ける人の多いねぶた祭り。雨の中でもハネトは元気良く飛び跳ね、お囃子衆も気合のこもったお囃子を響かせていました。
 

初日とは打って変わって晴天だった5日と6日は、まさにねぶた日和。特に、5日は審査日とあって、すべてのねぶたが登場することもあり、祭り一番の熱気に包まれました。
「ラッセラーラッセラー」の掛け声とともに飛び跳ねるハネト達の衣装には鈴がついていますが、飛び跳ねているうちにひとつ、またひとつとどこかに飛んでいきます。
ハネトの衣装は、正式には花笠を被り、肩には襷(たすき)を掛け、腰帯をしめて浴衣の下に「おこし」を巻きます。(昔はこの襷の先に「ががしこ」を結び、跳ねて音を出したり祝い酒を受けて飲んだりしていましたが、現在は)浴衣は白を貴重とした質素なものですが、花笠・襷・腰帯・おこしはどれも鮮やかな色。華やかで勇壮、元気の良いハネトの姿は見るものも楽しませ、踊り出したくなる気持ちにさせますが、揃いの法被をに腰帯のお囃子衆の姿も、キリリとしてかっこよく映ります。



私たち「青森りんごの会」も、ねぶた祭りに参加しています。また「青森りんごの会」のりんごを皆様へ届けてくださるヤマト運輸株式会社様も、参加しています。ヤマト運輸株式会社様のねぶた『花和尚・魯智深』が、今年の「観光コンベンション協会会長賞」に選ばれました。



ねぷた祭り・ねぶた祭りの由来って?
「ねぷた祭り」「ねぶた祭り」の由来について、
@坂上田村麻呂が蝦夷征伐の際に、抵抗する蝦夷を笛・太鼓・人形灯篭でおびき寄せて退治した逸話が起源とする説
A津軽藩主・津軽為信公が盂蘭盆会のときに、京都の津軽屋敷に大きな盆灯篭を飾ったことから、これが津軽地方の祭りへ姿を変えていったとする説
B「眠り流し」と「七夕」の行事が習合したとする説
がありますが、Bの説が有力と見られています。

津軽地方でも暑さが厳しいこの時期、寝苦しい夜が続きなかなか眠れないなかで、農作業は忙しく疲れの溜まる時期でもあるので、だるく眠気に襲われる津軽衆も多いのです。そこで七夕行事としてあった灯篭流しの行事に、形代に睡魔を乗せて川に流すことで、睡魔と穢れを流したといいます。「ねぷた祭り」「ねぶた祭り」も、昔は七日日(なのかび)に川や海に流していました。かなり、信憑性が高いように思いませんか!?また、津軽弁で「眠いなあ」というとき、「ねぷて」と言います。「ねぷた」「ねぶた」とよく似ていますよね。

さて、今回ご紹介した津軽のお祭りは、ほんの一部。同じ時期に弘前市では「弘前ねぷた祭り」、五所川原市では「五所川原立佞武多(たちねぶた)」が開催されています。8月初旬をめがけて青森を訪れると、津軽の熱いお祭りを堪能できますよ!
さーてさてさて、今回の豆知識は、「ねぶた」の台のお話です。
「黒石ねぷた」には扇型ねぷたと人形型ねぷたの山車が参加すると書きましたが、同じ人形ねぷた(ねぶた)でも、黒石と青森では大きさ以外にも違いがあるんです。それは山車の台の部分。


黒石ねぷたの方では、人形ねぷたは五段で構成される高欄という独特の形を持った台の上にあります。この高欄部分にも繊細で鮮やかな絵が描かれており、上の人形の姿と相まって幻想的な雰囲気を見せます。その下に台車を入れ、ねぷたの手前に曳き手が集まり、ねぷたを曳いて練り歩きます。


青森ねぶたの方は、平らな台となっています。台には主な企業名のプレートが掲げられ、協賛企業名などの入ったちょうちんを掲げます。その台の下に曳き手が入り、大きなねぶたを曳いて練り歩きます。



こういった違いは「ねぷた」「ねぶた」の大きさに拠るところもあるのでしょうが、同じ津軽で同じ起源を持つお祭りでも、地域でこういった違いがあるかと思うと面白いですし、参加する時の見方も変わってきますよね。

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